がん医療変革につながるリキッドバイオプシーとは?

がん医療変革につながるリキッドバイオプシーとは?

リキッドバイオプシーとは?

リキッドは液体、バイオプシーは生検と言う意味です。つまり、液体での生検ということになります。

体調不良のために病院を受診すると避けられないのが検査です。

できるだけ痛い検査は避けたいというのが、誰もが思うことでしょう。

ガンが疑われると、生検という検査を行います。

ガンだと思われる部分の組織を採取して、それを細かくスライスして病理の専門医が顕微鏡で見ます。

胃ガンが疑われる場合は、内視鏡で胃の組織を切り取ったり、舌癌が疑われる場合は、舌を少しだけ切り取ります。

これらの生検は痛みや苦痛を重なうため、患者さんの負担の大きい検査となります。

また、何度もできる検査ではありません。

そのため、治療効果を判定するためや腫瘍の遺伝子が変異を起こしていないかを調べるなどの目的で、生検を行うことは困難なケースが多く、遺伝子変異に合った適切な薬を投与できないことも多々あります。

しかし、尿や血液などでこれらの検査が出来れば、患者さんの負担も少ないし、新たな遺伝子変異に応じた薬を選択することも容易になります。

これがリキッドバイオプシーと言う技術です。

バイオマーカーとは?

リキッドバイオプシーは、血液中のバイオマーカーを捉えることで可能になります。バイオマーカーは大きく分けると2つあります。

血液循環腫瘍細胞(CTC)と言う腫瘍からわずかに血中に漏れ出ているがん細胞と、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)と言う血中にわずかに漏れ出たがん由来のDNAです。

これらの物質を血液中からキャッチできれば、患者さんは針を刺す時に少しチクッと感じる程度の苦痛で済みます。

また、何度も検査を行うこともできます。

体液中マイクロRNA測定技術基盤開発プロジェクトとは?

血液中にわずかに漏れ出たがん細胞由来のDNAを捉えたり、腫瘍からわずかに血液中に漏れ出たがん細胞を捉えようとするリキッドバイオプシーの技術開発が、各地の研究機関やメーカーで進めています。

その中でも、「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発」というプロジェクトが、注目されます。

がん細胞が分泌するエクソゾームの中のマイクロRNAに着目して、微量の血液から10種類以上のがんを早期診断する技術を2018年末までに開発することを目標に国立がんセンターと東レや東芝などの会社が共同で研究を進めています。

エクソゾームとは?

エクソゾームは唾液や尿の中にも含まれているので、将来的には、唾液や尿でできる可能性も期待できます。

既に、がん患者さんの尿には線虫がたくさん集まるくることが判っていて、尿でがんを診断する技術として発表されています。

ただ、この検査では体のどこかにガンがあることは判っても、それが胃ガンなのか肺ガンなのか、どの部分のガンなのかと言う所までは分らないので、その点は今後の課題です。

血液や尿や唾液で生検と同等の検査が出来る日がくるかも?

生検を経験したことがある人は、「なぜ、こんな痛い思いをしなければいけないんだ。尿や血液で検査できればいいのに」などと、思ったことでしょう。

そんな願いがまもなく、叶いそうな兆しが見えています。血液や尿や唾液で生検と同等の検査が出来る日も、そう遠くはないようです。