SNP(スニップ)チェックとは?
人間の体の情報は遺伝子に組み込まれています。
身長、目の形、耳の形やつき方から性格、筋肉の性質など様々な体を作り上げる情報が遺伝子にはあるのです。
しかし、人間の体を作り上げるための基本的の情報は大きく変わりません。
目が足についていたり、手と足がひっくり返っていたりすることはないのです。
ただ、個人個人、顔の形や大きさなどの違いは例えば、目を作る遺伝子がほとんど一緒なのだけれども、わずかに人それぞれに違うところがある。
そしてこの違いが目の形や大きさとして個人個人のちがい、つまり個性として反映される。
しかし、とんでもない違いを起こすような遺伝子の違いではないということなのです。
これらの個人間の遺伝情報のわずかな違いを一塩基多型、英語で表記するとSingle Nucleotide Polymorphismといい、その頭文字をとってSNP(スニップ)と呼んでいるのです。
遺伝子はその構造の中で4つの塩基と呼ばれる物質が対になってその情報を保存しています。
そして3つの塩基が一つのアミノ酸と対応しており、このアミノ酸が配列することでタンパク質を作り上げ、そのたんぱく質の働きで生命活動が営まれています。
そのたんぱく質は体の構造物となったり、酵素として働きその人の代謝機能の影響してりします。
したがって、一つの塩基が別の塩基と入れ替わってしまうとアミノ酸配列が変わってしまい大きな異常となることもあれば、アミノ酸配列も変わらず何の変化も起きないことまで考えらえれます。
その中で、一つの塩基が入れ替わることでタンパク質の性質がわずかに変わることも多いのです。
そして、その微妙な変化が人間の体の中では太りやすかったり、糖尿病になりやすかったり、高脂血症になりやすかったりという違いとして現れることがあります。
SNP(スニップ)チェックとはこれらの微妙な遺伝子変化を検査します。
様々な病気とのリスクや進行具合もわかる!
さらに、これまでわかっていたSNPの変化とある種のがんにかかりやすかったり、糖尿病や肥満などの生活習慣病になりやすさと関連しているのかがわかっているものがあります。
そのようなSNPの変化と患者さんがそのSNPの遺伝子変化を持っているのかを調べることで、もし、検査をして様々な病気との関連が示唆されているSNPの変化があれば、現時点でその病気が発生していたり、進行していないのか。
あるいは現時点ではその病気がないけれども、今後、その病気になる可能性が一般的な確率よりは高いと予測されるため、定期的に健診などを行い早期発見につなげていくことができるのです。
いわゆるテーラーメード医療の一つで、個人の遺伝子から、その人のリスクに応じたそれぞれの人に適切な医療を提供することができます。
その例として話題になったのが乳がんです。
ハリウッドのある有名女優さんが乳がんや卵巣がになりやすい遺伝子変化を持っている。
さらに家系でその病気にかかった人が多いため、がんになってしまう前にその臓器を予防的に摘出してしまったと公表されました。
賛否両論ありましたが、一つのSNPチェックの利用方法ではあるでしょう。