テロメアを伸ばして年齢を逆行させる方法とは?

テロメアを伸ばして年齢を逆行させる方法とは?

テロメアとは?

「テロメア」とは、染色体の末端に位置する,染色体を安定させる働きのあるDNAの短い配列です。

ほとんどの種類の細胞で、細胞分裂のたびにこのテロメアが少しずつ短くなります。

約50回ほどの分裂の後、細胞は分裂をやめて最終的に死んでしまうことが知られていますが、この限界値のことが、発見者にちなんで「ヘイフリック限界」と呼ばれます。

テロメラーゼとは?

1990年代には、「細胞時計」に関する一つの重要な手がかりが発見されます。

悪性の細胞は、自分の「細胞時計」を無効にし、限りなく分裂する方法をどこかで習得するというものです。

その後、ほとんどのがん細胞に存在する極めて特異な酵素が発見されます。(テロメラーゼといいます。)

これは細胞のテロメアの長さを延ばし、細胞の「時計」をリセットするカギのような働きをします。

もしこのテロメラーゼを使って、細胞分裂の際に縮小を補正できるとしたら、老化を防ぐ、あるいは少なくとも大幅に遅らせることができるのではないかと想定され、その分野の研究が急速に進みました。

実際「ジェロン・コーポレーション・ニュース」によれば、研究所でテロメラーゼの実験をしている研究者たちはすでに、人間の普通の細胞を変質させて「無限の複製能力」を持たせ得ることを実証しています。

テロメアの縮小スピードが速まる大きな要因とは?

さらに最近の、UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)のエリッサ・エペルらによる研究によれば、テロメアの縮小スピードが速まる大きな要因も突き止められつつあります。

それは、ストレスです。

もっと正確に言うと、ストレスに「影響されやすい人」ないし「悲観的な人」は、テロメアの長さが特に短いということです。

これは、圧迫面接という手法で検証されました。

面接官がストレスフルな仕方である種の圧迫面談を行います。

それに対して楽観的な反応を返した被験者と、そうでない被験者とでは、後者のほうが同じ年齢層でもテロメアが短かったというのです。

ストレスの軽減がカギになる!

ここから導き出される一つの仮説が、「ストレスの軽減」ないし「ストレスへの対処方法の習得」という仕方で、健康寿命を延ばせるのではないかということでした。

ポイントは、ここでのストレスとは、「細胞レベルでのストレス」であるということです。

つまり、当人がある種のものごとをストレスであると意識しているかどうかもさることながら、身体の細胞そのものが状況をストレス(敵・悩み・厄介者)と感じているかどうかなのです。

当然、深酒や喫煙は細胞にとっての「ストレス」です。

過負荷な運動、身体に緊張を強いる姿勢、過食、不規則な生活習慣などはストレスです。

さらには何であれ病気・怪我は身体にとってのストレスですから、きちんとした予防・治療は重要です。

もちろん、特に重要なのは、当の本人もそれをストレスと感じる(心理面に影響を及ぼす)なストレッサーへの対処です。

同じ物事に遭遇しても感じ方を変える努力、いわば思考を制御する方法を学ぶことは良いことです。

そのための心理療法、精神衛生といった分野の研究も進んでいます。